オヤジ:「いやぁ、昨日も面白い夜だったんだよ。」

常連さん:「お、何かあったの?」

オヤジ:「5人で飲み放題コース予約してくれたお客さんがいたんだけどさ、幹事さんが『ちょっと相談があるんですけど』って言ってたんだよ。」

常連さん:「ほう、なんだって?」

オヤジ:「さっきの1人がハンドルキーパーだから、その人の分は飲み放題から外してほしいってことだったんだ。」

常連さん:「なるほど、飲めない人がいると思われるよな。でも、店側としては全部揃えてくれた方がラクだろ?」

オヤジ:「そうそう、正直適当だったよね。でもちょっとさ、やっぱり観客さんの立場に立って考えて、『わかりました、大丈夫ですよ』って答えたんだ。」

常連さん:「そしたらどうなった?」

オヤジ:「いやぁ、幹事さんめちゃくちゃ喜んでくれてね。頑張ってよかった。」

常連さん:「そりゃ嬉しいよな!お客さんのリクエストをちゃんと聞いてくれるって嬉しいもんだ。」

オヤジ:「でさ、飲み放題の時間が終わるころ、そのグループのお友達がさらに4、5人で行ってさ。追加注文してもらえて、みんなでいっぱい食べて飲んで、めちゃくちゃ盛り上がってたんだ」よ。」

常連さん:「いいねぇ!もしかして、結果的には儲かったんじゃないの?」

オヤジ:「まあ、追加料金も発生したし、結果的には儲かったけどさ、それ以上に大事なのは『お客さんがお客さんを呼ぶ』ってことだよな。あの光景を見て、思いましたよ。」

常連さん:「確かに。人とのつながりって大事だよな。そうだったら、最近の話で何か他に似たようなことあったか?」

オヤジ:「ああ、そうだ、2011年に会社を立ち上げた社長さんの話を思い出したよ。彼は農業の素晴らしさを子どもたちに教えるために、いろんな農業体験をさせてもらったんだ。」

常連さん:「へぇ、そうなんだ。どこどうなった?」

オヤジ:「その子どもたちが成長して、今じゃその社長の会社で働いてるんだってさ。社長も『後継者がいないから、この会社をその子たちに託して思ってる』って笑顔で言うてたよ。『人が人を呼ぶ』ってそういうことだった気がしたね。」

常連さん:「人のつながりが会社を作り、ビジネスを成功に導いたな。」

オヤジ:「うん。昨日の新しいこともそうだけど、やっぱりお客さんのことを一番に考えて、自然とまたお客さんが来てくれるんだよ。それがこの店の盛り上がりにもつながっていくよ。 」

常連さん:「そうか、商売ってのは利益だけじゃないんだな。心を込めて対応することが大事だってことか。」

オヤジ:「そうだよ。だから、『お客さんがお客さんを呼んで』って現象が起きるたびに、この商売を続けてきて真面目だったと思うんだ。」

常連さん:「オヤジの焼き鳥がうまいのもそうだけど、やっぱりそのあったかさが人を引っ張ったんだろうな。」

オヤジ:「ありがとうよ。お客さん同士が繋がって、が広がった。それが『薩摩炭火やきとり居酒屋つかさ』の一番の誇りだよ。やっぱり、今日も今日とて焼き鳥だね。」