「オッサンばっかじゃん」
「今日は見事にオッサンがこうも集まったもんだ」
昨夜は、予約してくれたお客さんのオッサン率100%にビックリした。
個室の予約のお客さんは、まだ来てないけど、、、
どうやら、今日はオッサンデイなんだろう、、
そう思っていた。
「焼酎くれ~、お湯が足んないぞ~」
という濁声のオッサンたちの注文に翻弄されていたら、、、
「予約してた○○ですけど~」と個室の予約のお客さんが来店。
見ると、女性ばかりの団体さんで、、
しかも、みなさん、おきれいで、、お若くて、、、
め、女神さまや~
ど、どーーして、この店を選んでくれたんですかー?
と聞きたくなるくらい華やかで煌びやかだったので、
店内が一気にお花畑のように明るくなった。
僕は、お花畑を飛び交うちょうちょのような気分だった。
それはさておき、
彼女たちの楽しそうな笑い声に混じって、
特に目を引いたのは、ひとりの明るくて笑顔が素敵な女性だった。
その女性は、ただ座って飲むだけでは終わらなかった。
いろいろなお願いを、僕にしてくるのだ。
明るい笑顔を添えて。
「ホットウーロンとかできます?」
「塩コショーとかもらえます?」
「ノンアルのカシオレあります?」
「おいそがしいのに、ごめんなさい、写真撮ってもらえますか?」
お願いの内容はどれも大したことではない。
し、しかし、その頼み方には不思議な魔力があった。
ていねいで気遣いが感じられるだけではなく、
その笑顔が放つエネルギーに抗うことなど到底できなかった。
だから、「大丈夫っスよ」と即答してしまう。
本当は大丈夫じゃないけど、大丈夫っスよ、と自然に口から出てしまう。
接客業に携わっていると、忙しい時ほど頼まれごとに対応するのが大変になる。
普段なら、手が足りないからと、断る選択肢が頭をよぎる。
しかし、昨夜は違った。
その女性のお願いは、むしろこちらのテンションを上げてくれる。
頼られている感覚が、疲れを吹き飛ばし、
自然と「もっとやってやろう」という気持ちを湧き立たせるのだ。
この仕事をしていると、人と人との関わりの中で不思議な力が働く瞬間がある。
それは、相手の言葉や行動が、こちらの中に眠っていたエネルギーを呼び起こすような場面だ。
昨夜のその女性とのやり取りが、まさにそうだった。
思わず、ハイボールを一気飲みしたくらいだ。
写真を撮る時も、彼女たちの笑顔は眩しかった。
カメラを向けると、みんながいっせいにポーズを決める中、
その女性はひときわ明るく、
「ありがとうございます!」と声をかけてくれた。
その一言が、さらに心に響いた。
感謝の言葉一つで、こちらの気持ちは軽くなり、次に進む原動力となる。
またまた、ハイボールを一気飲みした。
そんな中で気づいたのは、接客業とは単に物やサービスを提供するだけの仕事ではないということだ。
お客さんとのやり取りを通じて、自分自身がエネルギーをもらい、元気を取り戻すことができる。
それがこの仕事の醍醐味であり、やりがいでもある。
もちろん、すべてのお客さんがそうではない。
中には、無愛想だったり、無理な要求をしてくる人もいる。
しかし、昨夜のようにこちらが心から「応えたい」と思える瞬間があるからこそ、この仕事を続けられるのだ。
ふと思い返すと、自分の言動もまた、誰かに同じような影響を与える可能性があるのかもしれない。
たとえば、忙しい飲食店で注文する時に、少しでも笑顔を添えるだけで、相手にとっての負担を軽減できるかもしれない。
そう思うと、日常の中でのちょっとした気遣いが、実はとても大きな力を持っているのだと気づかされる。
その女性たちは、夜が更ける前に帰っていった。店内が少し静かになり、片付けをしながらふと考えた。
あの笑顔に応えることで、何か得たものが自分の中に残っている。
それは疲労感を超えた充実感や、「また明日も頑張ろう」という前向きな気持ちだった。
焼き鳥を焼く日々の中で、特別なことが起きるわけではない。
ただ、こうして人と人が交わる中で、小さなエピソードが積み重なっていく。
その一つ一つが、自分の中に「明日もやろう」という種を蒔いているのだと思う。
接客業の仕事って、あらためて人と人との繋がりの中で続いていくものなんだな、
とつくづく実感させられた夜だった。
お客さんの笑顔に救われつつ、やっぱり、今日も今日とて、やきとりです。
いつもありがとうございます。