チュル「おやっさん、この前インスタで見たっけど、外人さんの話、おもしてかったな〜」
オヤジ「あぁ、あのドイツ人の旦那さんと、日本人の奥さんじゃっど。英語でしゃべっちょったがよ。今は香港に住んじょってさ、いろんな国ば行き来しちょるっち言いよった」
チュル「なんか世界飛び回っちょる感じやな。そん人たちが、こん店に来たっちがまたおもっせぇがな」
オヤジ「ほんとな。カウンターに二人で並んで、串もおにぎりもよう食うて、赤利右衛門も『めちゃくちゃうまか!』っち。ほいで、肉巻きおにぎりは特に気に入っちょった。“これは香港でも売れる!”っち、ニコニコして言いよった」
チュル「うわ〜、なんかうれしかな〜。んで、そのあとやろ?例の一言が出たんは」
オヤジ「そうなんよ。帰りがけに奥さんが、ポロッとやった。
“あなた、ずーっとココにいるつもり?”って」
チュル「うぉー、それ、刺さるな。なんちゅうか…ズンって来るなぁ」
オヤジ「そのときは“うん、まぁ…”っちごまかしたけどよ、帰ってから、ずっと頭の中でグルグルしちょった。あれは責めちょるでも、興味本位でもなかった。けどな〜、なんか“おまえ、その生き方、自分で選んだんか?”っち言われちょる気がしてよ」
チュル「おやっさんは、この町でずっとやっちょるもんな。でも、そいが普通になっちょったち、わしらも思うよな。『ほかの道』考える間もなかっち」
オヤジ「ほんに、こっちはこっちで好きだしよ。常連もおるし、仕事もおもっせぇ。でも、“ずっとここにいるつもり?”っち聞かれて、そげん自分に問いかけたことなかったな〜っち、気づいたわけよ」
チュル「あの人たちは世界ば行き来してるからな。外から見たら、おやっさんの暮らしが不思議にも、うらやましくも見えたっかもな」
オヤジ「わからんけどな。でも、どっちが正しかっちこともなか。現状に満足するもよか。もっと自由ば求めるもよか。だけんど、問い続けることが大事っち思ったわけさ」
チュル「そいで、最初にやらんといかんことが…?」
オヤジ「……借金ば返すことやった(笑)」
チュル「リアルー!!そこかい!でも、ようわかる」
オヤジ「夢ば見らんといかん。けんどな、足元整えんと飛ばんのよ。焼き鳥焼きながら、また一つ思い出したっち夜やったよ」