「いいアイデアが浮かばない」と感じているすべての人へ。
焼き鳥屋をひとりで切り盛りする日々の中で出会った一冊の本『プレゼン思考』。
商品と人生を並列で捉えるという視点が、ぼくの思考を根底から変えてくれました。
テクニックではなく、“人の人生に寄り添うアイデア”をどう生み出すか。
この記事では、思考習慣がピンチをチャンスに変える武器になるという気づきを、実体験とともに綴っています。

 

ピンチをチャンスに変える“思考習慣”──「プレゼン思考」が教えてくれたこと

ある日の朝、ぼくはふと思った。
「いいアイデアって、どうやって出すんだろう?」

焼き鳥屋をひとりで切り盛りしながら、いつも頭の片隅にあるのは「どうしたら、もっと喜んでもらえるか?」という問いだ。
だけど、忙しさに流されていると、つい“目の前のことを回す”だけで終わってしまう。

そんなとき、ある本に出会った。
タイトルは『プレゼン思考』。
──正直、もっと堅苦しい内容かと思っていた。けれど、読んでみて驚いた。これは“思考法の教科書”なんかじゃない。「生き方とビジネスをつなぐための指南書」だった。

「商品」と「人生」を並列で捉える視点

この本が提示するアイデア発想法の核心は、極めてシンプルでありながら、実に奥深い。
それは、「商品(あるいはサービス)」と、それを利用する人々の「人生」を並列に置き、徹底的に思考を巡らせるというアプローチだ。

そして何よりも強調されているのが、すべての創造は、表層的なテクニックやデータ分析以前に、純粋な「思考」から始まるべきだという点である。

これは、いわゆるマーケットイン(市場のニーズ起点)やプロダクトアウト(作り手の技術や発想起点)といった既存のフレームワークとは趣が異なる。
もちろん市場のニーズも、作り手の情熱も大切。
でも、それ以上にまず、「そもそも人間とは何か」「人生において何を価値あるものと感じるのか」といった、本質的で哲学的な問いからスタートする。

その視点を持てば、どんな商品でも変わる。
「串を焼いている」のではなく、「人の時間に寄り添っている」と考えれば、見える世界が変わる。
焼き鳥が、ただの食事ではなく“記憶になる”。
お客さんにとっても、そして自分にとっても。

「思考」は誰にでもできる最強の武器

プレゼン思考のすごさは、「思考の起点」を誰にでも開いてくれるところにある。
特別な才能はいらない。知識も実績もいらない。
必要なのは、「自分の人生を素材にする勇気」と「誰かの人生に寄り添う想像力」だけ。

たとえば、ぼくが日々感じるモヤモヤ──
「テイクアウト、受けたら回らないかも…」とか
「人手がないからできない…」と諦めかける瞬間。

でもそこで、「どうしたらできるか?」と考える。

「テイクアウト」と「お客さんの人生」を並列にして考えてみる。

お店側の課題は、「来店客とテイクアウトの注文が重なれば回らなくなる」で、

お客さんの人生で考えると、「お店の味をおうちでも楽しみたい、家族にも食べさせてあげたい」と想像できる。

お店の商品価値は、備長炭と秘伝のタレで焼くふっくら焼き鳥。

お客さんの隠れニーズは、おうちでゆっくり家族といっしょに焼き鳥を楽しみたい。

この交差点で浮かび上がってくる本質的課題が「テイクアウトでもお客さんに喜んでもらいたい」という本音が見えてきた。

そこで出てきたアイデアが「時間を指定してテイクアウトを受け付ける」というものだった。

「そもそもなぜ?」が、プレゼン思考でいう“思考のスイッチ”だ。

このスイッチが入ると、思考は現実を変える。
商品がただのモノから“物語”になり、
店がただの場所から“人生の風景”になっていく。

長く愛されるものは、思考から生まれる

アイデアとは、突然ひらめくものではなく、日々の生活の中から“生まれてくるもの”なんだと思う。

表面的な流行やバズではなく、
人生に深く根ざしたものこそが、長く愛される商品になる。

焼き鳥一本だってそうだ。
そこに、父から受け継いだ記憶や、
「この味が好き」と言ってくれた誰かの笑顔が乗っかっている。

そんな背景があるから、ぼくは今日も焼き続けるし、
「どうすればもっとよくなるか?」を、考え続けられる。

それは決して“戦略”ではない。
“思い”と“思考”がつながった先にある行動なのだ。

ピンチをチャンスに変える人になるために

この本を読んで、あらためて確信した。
「プレゼン思考を習慣にできたら、怖いもんなしだ」と。

なぜなら、
ピンチは避けられないけど、
“ピンチをどう捉えるか”は、変えられるから。

そしてその鍵は、すべて「思考」にある。
人生も、ビジネスも、思考から変わる。

たとえ今が苦しくても。
売り上げがゼロでも。
不安に押しつぶされそうでも。

「自分の人生」と「誰かの人生」をつなぐアイデアは、必ず生まれる。

そのためにはまず、立ち止まって、考えること。
自分の中に問いを持つこと。

今日も焼き鳥を焼きながら、そう思う。
「商品と人生は、別物じゃない」
「アイデアは、生き方から生まれる」

この思考を習慣にできたら、
きっと、ぼくらの未来はもっと明るくなる。

今日も今日とて、やきとりです。

いつもありがとうございます。