「売れないホスト」と「売れる焼き鳥屋」の違いとは何か?
その答えは、意外にも娘の誕生日に隠されていました。
いつもは軽口ばかり叩いている焼き鳥屋の親父と、聞き役の常連客チュルさん。
今夜の話題は、親父がAIと格闘して見つけた「フェイラーのポーチ」と、そこから学んだ「商売の極意」について。
カウンター越しに繰り広げられる、ちょっと深くて笑える親子のエピソードです。
親父 (焼き台の炭をいじりながら) なあチュルさん。昨日は東京にいる次女の誕生日だったんだよ。
チュル お、めでたいねぇ! で、またアレやったの? 「深夜0時ピッタリにLINE送る」ってやつ。
親父 おうよ。日付が変わった瞬間、誰よりも早く「おめでとう」だ。これぞ親の愛だろ? 今まではそれで「俺っていい父親だなあ」って自己満足して、気持ちよく寝てたんだよ。
チュル 「今までは」ってことは、今年はなんか違ったん?
親父 そうなんだよ。ふと天井を見上げて思ったんだ。「これ、突き出しのキャベツだけで満足しろって言ってるようなもんじゃねえか?」って。
チュル 例えが焼き鳥屋だなぁ(笑)。まあ確かに、言葉だけじゃ腹は膨れないからね。
親父 だろ? そこで思い出したんだよ。以前、娘が店に来た時に言ってた言葉を。「パパ、売れないホストは相手の気持ちを分かろうとしない。だから売れないんだ」って。
チュル うわ、キツイこと言うねぇ娘さん! でも正論だわ。
親父 グサッときただろ? 俺、あやうく父親としても「売れないホスト」になるところだったんだよ。だから今年は汚名返上だ。AI先生に相談して、サプライズプレゼントを贈ることにしたんだ。
チュル AI先生(笑)。で、何を選んだの?
親父 それがさ、娘の好みを入力してたら「ウマジョ」って言葉が出てきてな。あいつ、最近「武豊」の大ファンで、競馬にハマってるらしいんだよ。
チュル へぇ、意外! 昔はEXILEじゃなかった?
親父 そうなんだよ! 今じゃ「京都競馬場に行きたい」だの「武豊が行く美容室に行きたい」だの言ってる。しかも、ここからが理解不能なんだが……あいつ、店のカウンターに飾ってあった馬の置物を「めっちゃ可愛い!」って持って帰ったくせに、店に来たら誰よりも美味そうに「馬刺し」食うんだぞ?
チュル ぶっ!(吹き出す) それは矛盾してるわ! 「可愛い」って愛でた直後に食ってるのか。
親父 サイコパスかと思ったよ(笑)。でも、それが「ウマジョ」の生態らしい。で、AI先生と考えた結果、「フェイラー」っていうブランドの馬柄のポーチを贈ることにしたんだ。
チュル フェイラー! お洒落じゃん。親父さんが選んだとは思えないセンスの良さだ。
親父 だろ? 画像見た瞬間、馬に興味ない俺でも「これはいい」って思ったんだよ。で、それをポチった時、ニヤニヤしちゃってさ。娘が箱を開けて「なんでパパ知ってるの!?」って驚く顔を想像したら、なんかこっちまで楽しくなってきてな。
チュル ああ、わかるなぁ。田舎のばあちゃんが、ダンボールに隙間なくお菓子詰めて送ってくる、あの感じ?
親父 まさにそれ! 昔は「面倒くさいことするなぁ」と思ってたけど、あれは「詰めてる時間」そのものがエンターテインメントだったんだな。相手の喜ぶ顔を想像するだけで、こっちへの報酬になる。
チュル 深いねぇ。
親父 商売も一緒だよな。ただ焼いて出すだけじゃロボットと一緒だ。「今日は寒いから塩濃いめにしよう」とか「疲れてそうだからニンニク多めにしよう」とか、相手の心を想像して一手間加える。それが「売れる」ってことなんだよな。
チュル なるほどねぇ……。娘さんの「売れないホスト」の話が、まさか焼き鳥の極意に繋がるとは。
親父 おかげで、今日はいつもよりいい焼き加減な気がするよ。俺もようやく「売れっ子」のマインドを手に入れたからな。
チュル へいへい(笑)。じゃあ、その「売れっ子」が焼いた最高のレバー、一本追加で。
親父 あいよ! 喜んで! ……あ、そういえば娘からまだ電話かかってきてないな。
チュル 時差だよ時差、気長に待ちなよ、売れっ子さん。
(今日も今日とて、やきとりです。)